運動と呼吸法
逆流性食道炎を防ぐ方法として、適度な運動と腹式呼吸法をお薦めします。運動と腹式呼吸法は共に横隔膜と下部食道括約筋を鍛えるのに有効だからです。それらの筋肉がしっかりすれば、逆流も起きにくくなります。
ウォーキング
運動で一番おすすめなのが、ウォーキングです。適度な有酸素運動だからです。逆に激しい運動はおすすめしません。特に筋トレのやり過ぎは注意して下さい。お腹に力を入れ過ぎると、逆流しやすくなります。
ウォーキングなら、そうした心配は要りません。毎日30分を目安に歩いて下さい。ただし、ただダラダラ歩くのではなくて、大股で早く歩いた方が良い運動になります。その場合ずっと早歩きは疲れるので、例えば30秒早く歩いたら、30秒普通の歩きに戻して、また30秒早く歩いたら、30秒普通の歩きに戻す形を繰り返すと良いでしょう。こうした適度な運動はストレスを発散し、自律神経を調整するのに大いに役立ちます。
腹式呼吸法
腹式呼吸法も横隔膜を鍛える事が出来ますが、自律神経を整える効果が非常に高くて有名です。是非、腹式呼吸法を実行して自律神経を鍛えて下さい。この呼吸法を頑張れば、胃腸は元気になります。
○やり方
まず「ハ~」と口から吐き出して下さい。それから鼻からゆっくりと少しずつ吸ったら、今度はゆっくりと少しずつ吐き出します。そして吐く時間の方が、吸う時よりも長くなるようにします。何故なら吐く時にリラックスしているからです。目安として4秒間かけて吸ったら、10秒間かけて吐き出します。
この時、決して苦しくならないようにします。だから吸う時、4秒が苦しかったら3秒で止めて下さい。吐く時も10秒が苦しかったら9秒で止めて下さい。そして息を吐く時に体の力を抜くようにすると、よりリラックス出来ます。
5分~10分を1セットとして、1日5セット以上行って下さい。
なお吸う時は必ず鼻から吸って下さい。口から吸うとホコリで喉を傷めるし、また胃に空気が入ってガスの元になるからです。吐く時は鼻でも口でもどちらでも構いません。
そして大事なポイントとして、吸う時にお腹を膨らませるようにして下さい。吐く時はお腹をへっこませるようにして下さい。おへその下の丹田が、ふくらんだり、へっ込んだりすれば良いのです。
呼吸法を行う時は、猫背にならずに背筋を伸ばして行って下さい。猫背になると、お腹を圧迫してしまうからです。